未来の建築家を発掘・一流建築家が審査員! 建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト

受賞作品

2024 課題テーマ
「住み続けられる家-古き良きものの再生」

○受賞者アンケート

グランプリに参加しようと思ったきっかけ、理由

②作品テーマ決定までの経緯(なぜそのテーマにしたのか)

プランニングで苦労した点

プランニングでうまくいった点

⑤公開プレゼンテーションの感想

受賞の感想

大会で実際に審査を受けてためになった点

⑧グランプリ全体の感想(グランプリに参加してよかったことなど)

⑨あなたにとって設計グランプリとは?

⑩将来どんな道に進みたいと思っていますか?

金賞

「皿山の鼓動」

九州大学大学院 / 吉田 一輝  
九州大学 / 野川 瑛統・武藤 洋輔



 

○受賞者アンケート

①建築の原点とも言える住宅の設計について、深く考える絶好の機会であると思ったので、応募しました。

②リノベーションという建築の力を活用することで、保存し継承できる風景があるのではないかという考えに基づき、議論を重ねました。その中で、小鹿田焼の里の現状について知り、「ここしかない!」と3人の意見が固まり、この敷地を選定しました。

小鹿田焼の里を象徴する唐臼や登り窯の架構という景観的魅力のあるものを住宅の中に取り込みながらも、いかに公共性も確保するかということにかなり苦労しました。

既存の軸性を取り入れながら、水辺と調和した空間や唐臼を引き立てる空間を作れた点です。

自分たちが気づかなかった作品の魅力や発展性について、審査員の皆様が言及してくださり、とても嬉しかったです。

とても嬉しく思うと同時に、評価してくださった審査員の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。この受賞を励みに、今後も努力を重ねていきたいと思います。

⑦住宅の設計でありながら、公共性との共存を考えることで、その土地固有の宝物を創出できるという言葉が、とても印象に残りました。

⑧同じテーマに対して、同じスケールの模型が約100作品並んだ光景はとても面白かったです。

審査員の方々や他大学の学生と建築設計について真剣に議論できる貴重な場であると感じています。

公共性やその土地の未来など、幅広い視野を持って、建築設計に向き合っていきたいです。

銀賞

12軒の空き家の長屋〜おおきな家族のような長屋をつくる〜

 畿央大学 / 
松井 美樹・万字 光・吉川 依里・田中 千歩・平田 いずみ村上 仁美・野崎 遥菜・森本 早紀・宮下 邑奎

○受賞者アンケート

私たちは3回生で、前期の設計演習の課題で木造の新築の軸組を学びました。 そこで木造に興味を持ち、仲間たちと夏休みにこのコンペにチャレンジすることにしました。
また、有名建築家の先生方や、他校の学生さんとの交流をしたいと思ったからです。

私たちは、大阪市内に木造の空き家の長屋がたくさんあることを知りました。今回私達が取り組んだ長屋では、音熱環境や採光など問題だらけで、住みたいと思えませんでした。しかし、竣工当時の職人さんの手仕事の小屋組みなどが残るこの古き良き長屋は、使い捨てせず、未来に残したいという想いから、今回の長屋のリノベーションを提案しました。

9人全員で問題点を挙げ、解決するためのプランを考えていました。しかし、メンバーが9人いるため、それぞれの考えを取り込み、それをまとめることに苦労しました。
また、プランニングを考える上で、採光や音熱などの問題があり、平面だけではなく立体的に考えることを意識しました。

画一的な6軒2層の12軒長屋でしたが、構造の事も考えながら、自由度のある、フレキシブルな部屋割りのプランニングが出来たと思います。
また、ブロック塀で閉ざされていた公園と路地は開放し、室内に土間を取り込み、路地•土間•室•裏庭までの繋がりも意識しました。
平面と立面のプランニングや、周りの環境、植栽など、細部にまで足し算引き算をして考えました。

最終プレゼンテーションのために練習して挑みましたが、いざ、、、、前に立って話すとなると、とにかく緊張していました(笑)
ですが、建築家の先生方と対面で自分達の提案内容を様々な視点から講評して頂き、とても貴重な体験になりました。

数多くの作品の中から銀賞を受賞できてとても嬉しいです。しかし、金賞を獲れなかったことは悔しかったので、この経験を励みにこれからも建築を頑張っていこうと思います。

1次審査から満票で、ファイナルプレゼンテーションまで行けたことを誇らしく思っており、審査員の方々に私達の考えを伝えられたのではないかと考えています。

⑦対話の中で新たに認識した問題もあり、私たちの理解もより深まり、新しい考えをもつこともできました。
また、工務店の方々から建設業のリアルな視点で、的確な意見を頂けて、とても勉強になりました。そして、本当にリノベーションを行うならという想定を立てながら話をすることが出来ました。

初めてこんなに大きなコンペに挑戦しました。賞を頂けた事が本当に嬉しかったです。
しかし、金賞には至らなかった原因をチームで再考し、次にチャレンジして行きたいと思います。
このような経験•学びの場を作って頂けた事、本当に感謝しています。

私たちにとって設計グランプリは初めてのコンペでした。長屋、そのリノベーション、プランニング、模型の制作など全てが挑戦で、全て手探りでした。
作り上げる過程、またプレゼンテーションなどの経験全てが、私たちにとって価値のあるものになりました。
このグランプリに参加して銀賞を取れたことを誇りに思っています。

9人ほとんどのメンバーが将来は建築系の業界に進む予定なので、グランプリで得たこの経験を卒制や、社会へ出ても活かしていきたいと思います。これからはたくさんの人にとって心地よい居場所を作っていけるようになりたいです。
私たちは建築が大好きです!

銅賞

こっちを向いて

 京都工芸繊維大学大学院 / 太口 悠里

○受賞者アンケート

大きな話ではなくて、「人の居場所」のデザインをこだわって出来る住宅設計が好きなので参加しました。

実家は、「リノベーションすれば良くなるだろう建築」で1番身近でした。クライアントが両親であれば、これからの住み方も具体的にイメージできると思ったので実家を題材にしました。

大きく間取りを変えたので、もともと壁の中に収まっていた柱が空間の中にたくさん落ちる形になってしまったことに頭を悩ませていました。それを邪魔にならないよう、できれば活かそうと考えながら設計しました。

階段のおさまりです。既存ではプランの真ん中に直線階段があり、それが空間を分割してしまっていました。蹴込板の無い回り階段は、前よりも楽しく、ひとまとまりの空間を邪魔していないと思います。

実家というのもあり好き勝手に設計をしてしまった面もありましたが、第三者の視点からはどうか、審査員の方々から貴重なご意見をいただけて多くの気づきがありました。

受賞できるとは思っておらず、とても驚きました。設計に関しては、直すべきところも不十分なところも多いです。でも課題に対して私が考えてきたことは間違いなかったと、これからの大きな自信を持てて嬉しかったです。

既存構造を用いて最大限に良く変えたつもりでしたが、「こうすれば良かったのでは?」と新しい方法をいくつもお聞きできて、無意識に自分で限界を決めていたことに気づきました。

全国の建築学生の方はどんな考えをどう形にするのかを知れる、刺激のある素敵な会場でした。学校柄や地域柄のあるものや、真似したくなる展示方法もあってとても楽しかったです。

ある課題に対してどんな考えを持って設計したのか、みんなで意見交換して高め合う場です。

人や人の生活に興味を持ち続け、寄り添う対等な立場で設計のできる建築家になりたいです。

アンダー20賞・松岡拓公雄賞・20選

牢のねぐら〜リノベーションによる旧網走刑務所の「見張る」から「見守る」住まいの提案〜

  新潟工科専門学校 / 
長谷川 璃乃・高橋 ひらり・安田 萌花

○受賞者アンケート

リノベーションのコンペは珍しく、挑戦してみたいと思ったからです。

まずは今までにない新しいものを提案したいと考え、明治時代から今も残る網走刑務所を見つけ、この建築物なら近年の住宅の在り方を変えられると考えました。そして、「見張る」という空間に目を付けテーマを決定しました。

既存の用途が刑務所だったこともあり、閉ざされた空間を開放し、プライバシーを守りながら人々が共に生活していく空間を作ることに苦労しました

網走刑務所ならではのつくりを活かした300mm間隔の柱を残し壁を抜いたことで開放的な空間が生まれ、風通しの良く、明るい部屋を作ることができたところです。

新幹線の都合上、表彰式に出席することができなかったのですが、配信で受賞を知りました。番号を呼ばれた際には、とても嬉しくチームで喜びを分かち合いました。

せっかくの広い庭があるのに有効的に使えていない点がもったいないとご指摘をいただきました。庭についてはあまり検討できていなかったので勉強になりました。

大学生や大学院生の方々の作品を実際に見ることができ、たくさん刺激を受けました。グランプリに参加したことにより自分たちの作品をより良いものにするための学習の材料になりました。

学校の垣根を越え、互いに勉強し合える場だと思っています。自分自身の成長にも繋がりました。

設計に携わりたいです。人々が集い、つながりのきっかけとなる空間の創出に携わりたいです。

アンダー20賞・20選

「友待つ雪、雪乞う桜〜天然冷蔵庫のある雪国での暮らし〜」

  新潟工科専門学校 / 
三井 梨丘・加藤 佑翔

○受賞者アンケート

学校の授業として応募することになった事がきっかけで参加しました。

まず、私達の出身である新潟の雪を生かした建物を調べる事から始めました。そこで見つけたのが、「雪室」です。
雪室があることによって、雪に対するマイナスなイメージより、雪国であることを強みとして暮らせるプラスなイメージを感じさせるような住宅としての可能性を感じ、今回のテーマとしました。

プランニングで苦労したことは、雪を通しての人との繋がりや、暖かみのある住宅プランを考えることです。
また、既存の建物外観がとても完成されていて、リノベーションする事によって、見た目を悪くしてしまわないように意識して計画する事にも苦労しました。

プランニングでうまくいったことは、その建物だけでなく、土地の形状や周辺地域を絡めた提案にできたことです。
雪室の利用用途を地域のみんなの冷蔵庫としたことで、その世帯だけにとどまらず地域全体を一世帯として考えるような提案ができました。

まさか受賞できるとは思っていなかったので、受賞できた時には実感がわかず、鳥肌がすごかったです。ここまで頑張ってきたことが実を結んだことがすごく嬉しかったですし、これからの原動力になる貴重な経験ができたと思います。

実際の設計士の方々からの視点を知ることや、質問を聞くことは、自分の作品と重ねてみることで、気づかなかった問題点や、改善点。逆に良かったところなどを考えることができたためとてもためになりました。

全体的にレベルが高く、自分の力不足な部分をとても強く感じました。しかし、それと同時に周りに追いつきたい、周りよりも良い建築物を提案できるようになりたいと自分を鼓舞する機会にもなったため、参加してよかったと思っています。

今の自分を見つめ直す事ができる場です。
自分の作品が1番いいと思い込むよりも、多くの作品に触れることで自分を見つめ直すことができると思うので、いい建築物を考えるために、思考を整理できる大切な場だと考えています。

将来は、良い建築物とはなにか常に考え、建築業界の促進に貢献できるような建築物の提案や、設計をしていきたいです。