未来の建築家を発掘、一流建築家が審査員! 建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト

工務店トップインタビュー

「まちづくりも大きな建築も、設計の基本は住宅。

いい家を追求し、多くの人に愛され、住み継がれる住宅をつくりたい」。

長野県
国興ホーム(株式会社国興) 代表取締役社長 
田中 一興

株式会社国興は、元々は昭和9年に創業した製材所が祖業です。家づくりは、平成になり三代目の父が始め、当時は先進的だった外張り断熱を取り入れた「木も人も健康で暮らせる家づくり」に取り組みました。弊社が木にこだわった理由は、木は肌触りが良く、リラックス効果があることが科学的に証明されており、地球環境保全にもつながるからです。

「大きな建築もまちづくりも、設計の基本は住宅」と父はある都市計画家の方に言われたそうですが、国興も「いい家」を模索し、超長期住宅先導的モデル事業に認定されました。応募件数約600件のうち、認定された24件の大半は住宅メーカーで、地場工務店は弊社を含めて3社でした。

しかし、本当に「いい家」とは何かの葛藤も同時に起こりました。そんな中、私が本当に「これこそがいい家だ」と腑に落ちたのは、伊礼智氏設計の住宅を見学させていただいたときのことです。私が考える「いい家」とは、写真映えする建物ではなく、帰りたくなり、そこに居たくなる家です。伊礼氏設計のその建物は、私が東京芸大の恩師片山先生の建築に感じたのと同じ、まさにそのような家だったのです。

学生の皆さんには、そうした家づくりの要諦、考え方を知ってほしいという思いから、この木の家設計グランプリに協賛しました。

 

現在弊社では、高気密高断熱で伊礼智氏の設計から学びを得たオリジナル設計の注文住宅や、i-works project*の住宅を中心に、年間棟数は多くはありませんが一棟一棟、丁寧に建てています。

弊社では、施工管理・設計・営業を、役員3人・社員10人・で行っています。新卒の場合は、設計・施工の技術者を中心に採用。新人研修・OJTを経て、現場監督や設計のリーダーのアシストに就きます。

弊社が求める人材は、木と建築が好きな人です。好きであれば、前向きに仕事を覚えられるでしょうし、私たちも好奇心旺盛な若者に力を貸してもらいたいと考えています。また、建築は多様な人たちと関わる仕事なので、お互いを尊重できコミュニケーションが取れる、素直で明るい人と一緒に働きたいと思っています。

 

建築業界を目指す学生の皆さんには、時間を自由に使える今のうちに、多少無理をしてでも名建築を見に行ってほしいと思います。

私も学生時代に、2カ月かけて欧州11カ国を巡りました。16世紀の建築家アンドレア・パラディオの建築が多く残るイタリアの町・ヴィンチェンツァのカフェでの体験は印象に残っています。その店のお客は、私が建築学生だと知ると、おごってくれた上に「この町のここが気に入っている」「パラディオ建築のここが好きだ」と建物や町について熱く語ってくれたのです。この体験を通して、建物に魅力を感じる人がいるからこそ、その建物やまち並みが維持されるのだと改めて感じました。

 

今、国は「200年住宅」を推進していますが、ただ耐久性のある住宅をつくればいいわけではありません。建てた人だけでなく、他の人や次世代の人にも「いい家だから維持したい」と思われる住宅でなければ、200年も使われないからです。

私たちは性能や耐久性だけでなく長く愛され住み継がれる、そんな家づくりを目指しています。

 

施工事例

【企業プロフィール】

【会社名】国興ホーム(株式会社 国興)
【住 所】〒399-0027 長野県松本市寿南  1-7-22
【T  E  L】0263-58-2095(代表)
【M A I L】 info@coccohome.jp
【事業内容】注文住宅およびi-works projectの設計・施工、リノベーション、リフォーム、不動産事業
【沿革など】創立平成3年12月  資本金 2,000万円 

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