未来の建築家を発掘、一流建築家が審査員! 建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト

工務店トップインタビュー

「家を見れば、つくった人の気持ちが見える。上手い下手よりも人柄を大切に、共感し合える仲間を増やしたい」

東京都(表参道・軽井沢)
morinoie / モリノイエ®(Now and Then Co.,Ltd)代表 五十嵐 さとし

社屋外観

表参道と軽井沢を拠点に、軽井沢の別荘建築を中心に活動してきた私たちは、「都会暮らし、森暮らし。」という新しい日本の暮らし文化を、一人でも多くの人に伝えていきたいと考えています。利便性や刺激にあふれた都会の利点を享受しながら、自然に囲まれた空間、ゆるやかな時間を愉しむすばらしさを伝えたい。そんな想いで木の家をつくっています。

私が学生だった70年代から80年代は「木造は大工さんの仕事」という感じでした。大学ではコンクリート造などの授業が中心で、成績の良い人は大手組織事務所に就職し、美しい自然を享受した木造の建築設計を志す人は、ほとんどいませんでした。最近は審査員の方々のように木造住宅で名前が知られる方が出てきて、より感性豊かな建築が醸成してきていることを感じますが、自然の美しさを享受し、建築にふくよかな感性を注ぐ建築家たちの歴史は、これからを担う私たちが引き継がなくてはなりません。
 
しかし、そんな建築家の活躍の場は、まだそう多くないのが現実です。東京で「木造設計をしています」といっても仕事はなかなかありません。建てる人は土地には興味があっても建物にはない。「どんなひとときが紡がれていくのか」には興味が薄いように感じます。

地方都市でもハウスメーカーのやり方が一般化しています。「モデルプランから選んでください」で家が建ってしまうので、ゼロから設計する人が働く好機はほとんどありません。
一方で私たちが拠点とする軽井沢は、敷地が広く、また傾斜地が多く、森との関わりや風の流れ、花や、遠くの山が見えるかどうか、そういうことを考えると、モデルハウスをポンと置くようにはいきません。だから軽井沢には木の家をやりたい人が働く場所を築いていくことができます。
 
私たちの仕事は、家族や友人と、時にはたった一人で、心にある言葉に耳をすませる「ひととき」をデザインする仕事ではないでしょうか。つまり、私たちの建築設計においては、暮らし手が異なれば当然、そのほかと同じ建築から考えることはありません。既成概念にとらわれず、その人の夢に寄り添い、提案することが求められます。それは相手の声に耳を傾けて、気持ちを汲みとり、創造することですから、私たちは"住宅"を設計するという始端からはなれたところに建築の原点を据えるべきとも言えるでしょう。

 

今回グランプリで「表彰された」「されなかった」という結果が出ると思いますが、皆さんはこれから自分の頭で考えることをいっぱい経験しないといけないので、結果を重視し過ぎず、急ぎ過ぎず、目の前のことをやるのが大切だと思います。

この自然のなかで仕事をして気持ちいいと感じる、そういう人と一緒に仕事ができたら嬉しいですね。
家を見れば、一生懸命やったのか、楽しんでやったのか、それとも手を抜いたのかが分かります。どんな気持ちでつくったのかは必ず伝わります。だから私は上手下手よりも人柄を大切にします。豊かさのものさしを人々が培ってきた軽井沢の歴史と森の美しさに敬意を払い、これからの建築を高め合うあなたと、感性を交えていくことが、私たちの仕事であり、いつまでも変わらない目標です。

施工事例

【プロフィール】

会社名 モリノイエ軽井沢™(CREA Co.,Ltd)
住所  〈表参道アトリエ〉
   〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-19-6 west/east 2F                        (表参道ヒルズ正面エントランス裏)

    〈軽井沢アトリエ〉 
         〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町矢ヶ崎山1016-552                        (東京駅より新幹線で1時間 浅間山を望む森の中)

連絡先 TEL:03-6721-1146 (代表)
Mail: info@i-morinoie.com 
事業内容:軽井沢を主な活動範囲とした木造住宅・店舗・別荘の企画、設計、施工
法人設立  平成6年  資本金1,000万円

モリノイエ ホームページ