未来の建築家を発掘・一流建築家が審査員! 建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト

受賞作品

2023 課題テーマ
「リモートハウス-風景と調和する家」

○受賞者アンケート

グランプリに参加しようと思ったきっかけ、理由

②作品テーマ決定までの経緯(なぜそのテーマにしたのか)

プランニングで苦労した点

プランニングでうまくいった点

プレゼンの感想

受賞の感想

大会で実際に審査を受けてためになった点

オンラインでの開催にあたって、感じたこと、感想など

グランプリ全体の感想(グランプリに参加してよかったことなど)

あなたにとって設計グランプリとは?

⑪将来どんな道に進みたいと思っていますか?

優秀賞

「道標の家-大地から建ち上がる擁壁と架構-」

大阪公立大学  松村 真衣
        勝山 奈央

 

○受賞者アンケート

研究室の先輩方が受賞していて憧れていたため。

敷地調査と議論を通して、大地に根ざした暮らしをつくりたいという想いが2人の中で一致した。

角度を振ったことにより、交差部と塔の柱位置がうまく納められなかった。コンセプトが詰まった塔をもっと魅力的に綺麗に作れたら良かった。

1階の内外を横断する地続きな動線と、上下階を繋ぐ階段まわりの空間を楽しくつくることが出来た。風を通すための架構を綺麗につくることが出来た。

7人もの審査員を前にプレゼンするのは緊張したが、自分たちの考えてきたことを発表する場が与えられて貴重な経験となった。

10選に進めたことはとても嬉しかったが、公開審査での自分たちの実力不足を感じ、今後の課題が残る結果となった。

最小限の操作で最大限の効果を生むことが大切という具体的なアドバイスをいただくことができたこと。

100選の方々の迫力のある模型やシートを見ることができ、また懇親会で個々の審査員の方々と対話ができたことがとても良かった。

今まで考えてきたことと今の実力を試す機会。

アトリエ事務所

優秀賞

「sio9ぶどうハウス〜人とぶどうの風景に調和する家〜」

 神戸大学大学院    髙垣 翔
          森 健太

○受賞者アンケート

来年から社会人なので、最後に自分の好きなように住宅のデザインがしたいと思い、参加しました。

ぶどう畑でまちづくりに貢献している団体を見つけたので、ぶどう畑だけでなく人の活動も風景の一部になりうるのではと考えたからです。

単なる住宅の役割だけでなく、ぶどう畑の団体の活動の拠点としても機能させたかったので、プライベートな空間とパブリックな空間をどう分けるかで苦労しました。

広い土間玄関という中間領域を広場と繋げる形で設けたことで生活動線が改善され、ぶどう畑→広場→住宅と緩やかに繋げられたように思います。

審査員の方々と対話することを最も意識したので、原稿は覚えて極力模型を使って説明しようとしたのですが、やはり緊張してしまい、途中10秒ほど言おうと考えていたことが飛んでしまいました(笑) が、自分達の作品について建築家の先生方と議論することができたので非常に良い経験になったと実感しています。

3位以内に入ることができず悔しい思いはありますが、大学1年生の頃からよく知っている友人と一緒に出したコンペで受賞できたので、非常に嬉しく思います。

⑦木造建築の難しさを改めて知ることができた点です。大学院生になってからの設計は木造が少なかったので、正直知識が抜けているところもあったので、さまざまなタイプの建築に日頃から触れることの大切さを学びました。

⑧コンペには去年も参加させていただいたので、今回で2回目になるのですが、今回のテーマである風景は去年のテーマよりも抽象的な印象だったので非常に難しかったと思います。

⑨自分達の知識を試す場だと思います。

⑩住宅を扱うことは少なくなるとは思うのですが、住宅のようにヒューマンスケールで人のための空間をデザインすることはどんな建築にも大切なことだと思うので、そういった細部まで人に対する思いやりを忘れない設計士になりたいと考えています。

優秀賞

「開放土間の家

立命館大学    武部 宗介
         

○受賞者アンケート

学生の間に一度は経験としてコンペに参加したいと思っていました。木の家設計グランプリは他のコンペに比べてまだ現実味のある作品が評価されていると感じたので応募しました。

まずは僕が普段考えていることや将来したいことをカタチにしようと思いました。 それから今回の課題テーマを擦り合わせました。

周辺の関係と家事動線を最適にする為にいくつかプランを考え、自分でエスキスしてました。

2階の居住空間はうまくいったかな

著名な建築家から直接意見を頂けて良かったです。

20選にも選ばれるとも思ってなかったので驚きました。しかし、反省も多く、まだまだです。これからも精進します。

⑦鉄骨と木の取り合い。 建物と家具の関係。 どのような空気が流れているかを考えて設計すること。

⑧色々な人の評価や意見を頂けたこと、その人の考えの一片を知れたことは良かったです。

お祭りです。

⑩最終的には独立し、京都を中心に新築だけでなく、改修なども手掛けたいと思っています。 とにかく"良い"建築家になりたいです。

優秀賞

だんだんに継承する風土を創る

工学院大学大学院  加藤 龍
          圓谷 桃介         工学院大学     吉規 朝香
          東園 直樹

○受賞者アンケート

コロナ禍の時代で私たち学生自身、対面で交流する機会がなく、この木の家設計グランプリを通して、今まで交流が少なかった人たちと交流を深めたいと考えたためです。加えてテーマがリモートハウスということで、まさしく私たちの考えと噛み合っていると思ったので参加しました。

コロナに直面して人の変化に対する建築の変化があまりないと感じ、土地の形態や特徴を読み込むことで、ライフサイクルの変化を許容できる建築ができるのではないかと考えました。

段々畑という高さの高い傾斜地を選んだことで、人の導線や道に対するアプローチを考えるのに大変苦労しました。しかしながら、その点を紐解くことでここにかできない建築形態や面白さを設計に取り入れることができたと思っています。

三つのフェーズに分けて設計を行った点です。みかん農家として働いてる際のフェーズを軸に考え、祖父母の死後、これまでの空間を地域や家族との交流を育む場所にすることができました。

まず、このような場をご用意していただきありがとうございました。初めは緊張していましたがディスカッションを通して、この緊張は楽しさに変わっていきました。また、審査員の方々から私たちが考えられないようなアイデアをいただきました。これからの設計に段々と継承して新たなを建築を創り出していきたいです。

学年や研究室の垣根を超えて取り組んだコンペで、このような賞を頂けて大変嬉しく思います。著名な建築家の方々と議論ができて光栄でした。

私たちが設計した段々畑と建築の関係や石垣、石吹き屋根について、実務経験のある審査員の方々により深いところまでご意見を頂けたところがためになりました。

木の家設計グランプリでは、作品をただ提出するだけでなく、フィードバックを頂けることがありがたかったです。他の参加者の方々との交流や作品からも刺激をもらい、今までの私たちにはない思考プロセスや表現方法を楽しみながら学ぶことができました。

与えられた課題に対してただ答えるのではなく、制作を行う過程で生まれた付加価値を含めた設計が大事だと思います。そして、様々な人と関わることのできるいい機会だと思います。

自由にのびのびと建築を楽しみながら、新たな空間を創り出します。

 

優秀賞

「風景をまとう-雪国において、自ら生活を獲得していくアドホックな暮らしの提案-

東京工業大学大学院  岩下 隆平
金沢工業大学大学院  西尾 依歩紀

○受賞者アンケート

他のコンペで知り合って、お互いに木造住宅が好きで意気投合したため。

2人とも雪が降る地域にゆかりがあり、都会では制御されている自然的要素を題材にした設計を通して新しい住宅の可能性を考えたかったため。

周囲がひらけていたので、周辺環境の制約が少なく、自分達である程度ルールを決めて設計を進めなければいけなかった点。

中央には共有の空間があり、そこからプライベートな空間枝分かれしていって周辺の野尻湖、隣家、畑という要素と関係を持つように設計できた点。

自分達が考えてきた提案をめぐって、直接議論ができるという数少ない機会であり、非常に有意義だった。

10選に選定していただいたことは素直に喜びたい一方で、二次審査で他の提案を聞くと、これを糧にもっと精進しなければならないという悔しい思いもあった。

建築を仕事にしている方々は提案におけるリアリティとの距離感を把握する能力が学生のわたしたちとはかけ離れて優れていて、今後にいきる議論ができたと思う。

木造住宅の可能性をめぐって、遠く離れた土地いる友人と数ヶ月の間一つの提案について考える機会になってすごく幸せだった。

試行と挑戦の連続

社会に影響を与えることができる建築をつくりたい。

優秀賞

「世古っ子暮らし

工学院大学大学院     豊栄 太晴
           菊地 悠
           安原 諒

工学院大学      青木 亜里紗

○受賞者アンケート

去年も参加してそのリベンジと思って参加しました。

今回大事だと思ったのが、都会を離れて暮らした時に何が大事なのかを考え、子供のための空間が住宅にも必要だと考えた。

周囲の世古との関係性をうまく作るのが大変だった。

生活空間と子供空間の関係をうまく作りながら、子供がのびのびできる空間を作れた。

一般的なコンペではなかなかここまで審査員の方と話すことはできないけれど、このコンペではそこが1番価値あるものだと感じた。

おそらく学生最後のコンペ参加になると思いますが、優勝賞をいただけて嬉しく思います。

実際の建築、特に木造を考えるときにプランやデザインは重要なことでもあるが、そのほかに防火や防風など災害時や環境についても社会に出てからは意識して設計していかないといけないと強く感じました。

⑧他の学生の作品や審査員方と対話できたことで、とても勉強になることが多かったです。

風物詩です。夏近くなるとこのコンペの時期が来たなと感じます。

設計職を目指しています。

優秀賞

堤にひるがえる

 九州大学大学院  友廣 佳太

○受賞者アンケート

久しぶりに個人での設計を行いたいと思っていたところ、同じ研究室の友人達も個人で応募するとのことだったので、自分もと思い参加を決めました。

敷地調査で清流が生む美しい自然を実際に感じ、それらと調和しながら環境を生活に取り込んでいくための形を考えることで形態のイメージが固まってきました。

大屋根に包まれた“ハコ”と“中間領域”の関係性が対等になるようにボリューム感を検討しましたが、最終的に規模が大きくなりすぎてしまったようにも感じます。

敷地内の高低差を活かして、大屋根の下で立体的に視線のやり取りが広がる多様な中間領域を描くことができました。

審査員の先生方に評価して頂けた点やご指摘頂けた点は大変勉強になりましたし、意見の応酬をする中でずっと議論が続けばいいのにとも感じました。

自分の描きたかった家族の暮らしと建築の在り方を多くの先生方に評価して頂けたことは、建築を学ぶ一学生としてかけがえのない財産になりました。

それぞれの先生方によって異なるご意見を頂けたことで、単純に自らの作品をより客観的に捉えなおす事ができました。

全国の建築学生の作品を実際に目の当たりにし、一人ひとりの熱量や拘りなど多くの事を体感することができました。やりたいことをまとめあげてひとつ形にでき、参加してよかったと心から思います。

設計における自らの拘りを貫き、他の学生と競うことで、自分の武器と伸びしろを再確認できる場だと思います。

設計に限らず、人々の人生や過ごす空間を形作るための職業に就きたいと考えています。

横内敏人賞

すその広げて、おすそわけ

 東北大学大学院    藤野 正希

○受賞者アンケート

建築の原点ともいえる住宅について考えを深められる点、対面審査のため審査員の先生方や他の学生から刺激をもらえる点に魅力を感じ、このコンペに応募することにしました。これまで一人でコンペに応募することがなかったので、チャレンジしたいと思い参加しました。

「風景と調和する家」という今回の課題テーマを聞いたときに、地元福島の山々に囲まれた風景が思い浮かび、敷地を選びました。田舎で生まれ育ってきた自身の経験から、その豊かさを享受できる住まいを提案したいと思いからコンセプトを決めていきました。

円弧上の大屋根と、グリッド平面の内部空間という異なる構造の2つをうまく整合させつつ、全体のプロポーションも美しくなるようにプランを決めていくことが大変でした。特に大屋根と母屋の柱位置を調整する段階で苦労しました。

山脈の裾野の風景に相応しいのびのびとした形態に落とし込めたのは良かったと思います。ヒューマンスケールな軒下が連続する空間は、当初思い描いていたイメージを概ね実現できたのではないかと思います。

完成度の高い作品が並ぶ中で、まさか賞をいただけるとは思っていなかったので非常に嬉しかったです。また、自分ひとりの力では決して受賞には至らなかったので、模型製作などを手伝ってくれた人に感謝したいです。

設計の内容はもちろんですが、表現のクオリティ、オリジナリティも同じくらい重要だと感じました。周りの参加者に比べてその部分が大きく劣っていると感じたので、今後レベルアップさせていきたいです。

審査員の建築家の方々、参加した学生との距離が近く、直接意見を交わすことができる大変に貴重な機会でした。たくさんの刺激をもらうことができたので、来年もぜひ応募したいと思います。

自分の実力がどこまで通用するか試す場だと思います。

建築設計の職に就きたいと考えています。若いうちには様々な仕事を経験し、将来的には自分が生まれ育った東北の地で仕事に携わり、建築によって少しでもまちの風景や人の生活をを豊かにしていければと思います。

竹原義二賞/20選

「水に纏い藍に染まる」

 法政大学大学院    宮本 滉平
          藤野 晟伍

 

○受賞者アンケート

友人からの勧め

水と暮らしていく設計をしていきたいと思ったから。

敷地内の高低差

ゾーニング

この度20選止まりでしたが、竹原さんから個人賞と来年への激励のお言葉を頂き、大変嬉しいです。

学生の自由な発想をいかに実務として説得力ある案にできるかという審査員の方々のお話が聞けてとても勉強になりました。

審査員の方とはもちろん、学生同士の交流も非常に活発だったなという印象でとてもよかったです。

より自分の設計力を高めるために、創造性と実務的な知識の両者を身につけていくものです。

建築家として、特に医療に関わりながら建築を考えていきたいと思っています。

松岡拓公雄賞/20選

「地景とともに生きる」

 九州工業大学大学院    楢﨑 有祐
 

○受賞者アンケート

修士1年のタイミングで住宅の設計について、もう一度深く考えてみたいと思ったから。

僕の故郷における建築のあり方、設計手法を模索したかった。

全体的にもっとシンプルなプランにしたかったのですが、難しかった。

高さ方向の寸法や関係性の設計は上手くいったと思っている。

審査員賞を頂けたのが光栄でした。次回はファイナリストに残れるように頑張りたいと思う。

住宅設計に対する各々の考え方や美学に触れることが出来、自分の考えを整理することが出来た。特に、ストーリー作りや絵となる情景を表現することの大切さを痛感した。

他の参加者の人と話すことでとても刺激を得ることが出来た。

自分の今の立ち位置を知り、ライバルを見つけることが出来る場所。

アトリエ設計事務所に数年勤務した後、独立して建築とランドスケープの設計をしたい。

堀部安嗣賞

「融解する家」

 京都府立大学大学院    山本 修
 

○受賞者アンケート

木造の住宅を設計したいと思ったからです。

計画敷地の美しい景観を活かしたいと思ったからです。

木造の住宅をあまり設計したことがなかったので構造を考えるのには苦労しました。

複雑な形をまとめ上げれたこと。

審査員の方々がどのように作品を評価されているか聞けたこと。

自分たちが思っていることとは異なる別の視点からの意見やアイデアが飛び交い、今作品のブラッシュアップや、今後の活動の糧になるような刺激的な時間を過ごすことができました。

実際に建築家の方からフィードバックを頂けたことがとても嬉しかったです。

住宅についてもう一度考える場

建築の設計に携わりたいと考えています。        

堀啓二賞

「余白」

 大阪芸術大学    久川 均星
 

○受賞者アンケート

大学に掲示してあるポスターを見かけたため。

風景との調和、またリモートハウスという環境では、どのようなことが必要・不必要であるかを考えた際、豊かな余白が様々な物事のきっかけにつながるのではないかと考えたました。

生活の中ある余白を決定していく過程では多くの時間を使いました。

酪農という常に仕事場としてもありうる環境に、余白として住宅を置き、その中に多様な関係性をうむ個別の間を配置したところだと考えています。

堀先生からの特別賞をいただくことができ、大変嬉しく思います。 堀先生、また審査していただいた先生方、誠にありがとうございました。

目に見える表現から生まれる理解と、声を聞き発表から受ける印象を、先生方の質問と合わせて拝聴できたこと自体が、大変意義のあることだと感じました。

審査時には、多くの方が声をかけてくださり、様々な意見を聞くことができました。審査終了後の懇親会では、先生方から個別に作品に対する意見をいただくことができ、多くの反省点が見つかりました。会場に足を運び、たくさんの方との関わることで、今後より一層力を入れて制作をしようと思えたことがとても私にとって価値のあるものだと感じました。

作品を通し、様々な考え方に濃く触れることのできる場所。

考えること、つくることを続けられる道に進みたいと考えています。        

荻野寿也賞/20選

「柿と生きる」

 九州大学大学院    古賀 里梨
北九州市立大学   成吉 亜美
福岡大学      辰本 桂
          畠山 桃歌

 

○受賞者アンケート

福岡の設計事務所のバイト仲間でなにか住宅のコンペティションをやりたいと考え、参加しました。

うきは市まで実際に行って、都会からここに来た時にどこに家を建てたらうきは市の良さを1番感じるかを考えて柿をテーマに決定しました。

対象敷地が傾斜地で、石垣1段の高低差が3000mmと急だったため、日常動線の中でどうしたら高低差を少なく出来るかというところに苦戦しました。全てフラットにしてしまえば楽なのですが、傾斜の良さを生かした暮らしを提案したいと思い取り組みました。

自分たちの思い描く設計を最後までやり遂げることができ、それが荻野賞並びに20選に繋がったのはとても嬉しく思います。しかし、10選の方々の発表を聞くと、まだまだ自分たちの課題も多く見つかり、とても勉強になりました。今回の結果を踏まえ、今後の設計に活かしていきたいと思います。

審査では他の学生の作品や発表に対して、それぞれ審査員の方々の講評を聞くことができたので良かったです。また、自分たちの設計では詰めれていなかった、細かい木造の設計について審査を通して学ぶことができました。

100選の力のある模型が多く集まって全国から参加する学生の考えや表現方法に圧倒されました。また審査員の方とも話す機会がありとてもいい経験ができました。

夏休みをかけて取り組むことができるので自分の力を試す良い機会だと思います。また、他の学生の新しい作品や価値観に出会うことができ、審査員の方からもコメントをいただくことができるので、良い刺激になる場だと思います。

将来は住宅や内装、インテリアを中心にデザインする仕事に就きたいと思っています。