未来の建築家を発掘・一流建築家が審査員! 建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト

受賞作品

2020 課題テーマ
「自然を身方にする家」

○受賞者アンケート

グランプリに参加しようと思ったきっかけ、理由
作品テーマ決定までの経緯(なぜそのテーマにしたのか)
プランニングで苦労した点
プランニングでうまくいった点
プレゼンの感想
受賞の感想
大会で実際に審査を受けてためになった点
今回初めてのオンラインでの開催にあたって、感じたこと、感想など
グランプリ全体の感想(グランプリに参加してよかったことなど)
あなたにとって設計グランプリとは?
将来どんな道に進みたいと思っていますか?

優秀賞

「櫓ハウス密集住宅地における共用スペースをもつ住居提案ー

法政大学大学院        上島 惇之介
早稲田大学芸術学校  高須 拓

○受賞者アンケート

昨年、ビルダー賞に選んでいただき、今年は昨年の結果を超えたいという思いで参加しました。また、二人とも住宅設計に興味があることや、木の家設計グランプリは審査員の方々と直接お話しできるチャンスがあることも理由の一つです。

住宅というプライベートな空間に、隣家の方を中心に地域住民との共有の庭や櫓を絡めた提案をしたのですが、きっかけは今回のコロナ渦における実体験でした。移動が制限され、家を中心に徒歩圏内の生活を送る中で、自分の家のもうひとまわりだけ外の環境を変えることができると、どこか息苦しく思ってしまう現状を打開できるのではないか。そこで、家の近くの小さなコミュニティを見つめ直すことから始めてみようという方向性になりました。

例年の形式とは異なる3分の動画に集約することに苦労しました。伝えたいと思うことがたくさんあり、なかなか3分に収まりませんでした。ただ自分たちが本当に伝えるべき要点を整理する良い経験になったと思います。

自分たちだけで設計をしていると、意識していても案を客観的に見ることができなくなってくることがあり、審査員の方々から頂いたコメントには、自分たちでは気付けなかった盲点がたくさんありました。今後の課題として指摘されたことを意識しながら設計に取り組みたいと思います。

Web上で他の作品を見ることが出来た点がよかったです。会場で見るよりもそれぞれの作品を細かく読み込むことができました。また、作品を3分の動画という限られた時間で説明する機会が今までなく、とても勉強になりました。

「案の良いところ」と「これからの課題」の両方を見つけてくれる場所です。自分たちの案のどういう点が共感を得たのか、反対に何が足りないのかがわかり、今後設計に取り組む際に大きなヒントをたくさん得ることができました

優秀賞

「光彩の棲家

 名古屋大学大学院    熊野 拓郎
           
柴田 桂吾

             佐々木 主海

○受賞者アンケート

学生の設計課題を通して様々なタイプの建築を設計してきましたが、住宅の設計は学部2年の時以来やっておらず、設計課題を通して学んだことを活かして住宅をもう一度住宅を設計してみたいと思い本グランプリに参加しました。

現代は照明技術が発達し一様な光が簡単に手に入れられる一方で、自然光と人の関係が薄れているように感じていました。デジタル化・AI化が進む都市の中でもう一度自然な光を暮らしに取り戻せないかと考えこのテーマを設定しました。

動画の作成はしたことはありませんでしたが、ある程度納得のいくものができたと思います。しかし、光の変化など動画を使ってもっと魅力的なプレゼンテーションができたのではないかと思っています。この経験を今後に活かしたいと思います。 

普段関わることのない建築家の方々に自分たちの案を見ていただいただけでなく、実際に話ができたことは貴重な体験になりました。特に、光による熱負荷の話など実際に設計に携わらなければ知りえないことを議論できて非常に勉強になりました。

自然と住宅というテーマの中で、様々な案を拝見することができ勉強になりました。自然は住宅だけでなく建築を考えるうえで非常に重要だと思っているので、この設計グランプリでの経験を今後に活かしていきたいと思います。

本提案には3人で参加しました。3人が同じ道に進むことはないと思いますが、グランプリテーマであった自然と建築の関係は今後設計するうえでも重要なテーマであると思うので、その関係を十分に考慮できる設計者になりたいと考えています。

 

優秀賞

「雪をそそぎ、タネがめぐる家

 信州大学大学院    高橋 真由

○受賞者アンケート

久しぶりに住宅の設計をしてみたかったことと、修士設計で、雪国の建築について取り組んでおり、そのアウトプットの機会としてちょうど良いテーマであったため。

自分自身、実家が雪国で雪の季節の楽しみより、苦労の方が印象強く、雪の季節が嫌いでした。しかし、大学へ進学した際に、雪が降らないことへの寂しさを感じた時「あの時、雪を楽しめていたらもっと違う見え方をしていたのではないか?」と感じたので、雪国にしかできない楽しさのある建築にしようと思いました。また、対象地である湯沢町に降り立った時に、水路の音が途絶えない街であることが非常に印象に残ったため、タネの存在を感じられるよう計画しました。

オンライン開催ということで、事前の動画でのプレゼンがメインとなり、模型やプレゼンボードだけではなくなったところに時代の変化を感じるとともに、さらに勉強しなくてはいけないコンテンツや課題を見つけられました。

住宅作家さんらしく、非常に丁寧に、細部の寸法感覚まで講評をくださり、とてもありがたく思いました。自分の作品の講評はもちろん、他の方の講評を受けてたくさんのことを吸収できたので、今回の結果に満足せず、さらにフラッシュアップを重ねていきたいと思います。

同じテーマの中で、そのテーマの捉え方から、どう設計に落とし込んでゆくのかを見ることができ、自分の思考をより深めることができました。

自分の思考をアップデートできる契機

優秀賞

「つめたさとあたたかさを棲み分ける家雪室と温泉を使った寒暖を身方にする住まいー

日本大学  中村 正基
      山田 遙南
      石本 かえで
      
田畑 輝
日本大学大学院 
山本 壮一郎
        中村 美月

○受賞者アンケート

これまで木造住宅の設計に真剣に取り組んだ経験がなかったので、コンペを機にチャレンジしてみたかったことと、審査員である著名な建築家の方々と建築について議論出来る貴重なチャンスだと思ったからです。

今年度の「自然を身方にする」というテーマに対して、真っ先に秋田の風景が脳裏に浮かびました。研究室プロジェクトの一貫として毎年秋田県に赴いているのですが、その調査の中で得た知見を活かした住宅を設計したかったため、秋田らしい雪や温泉を題材にすることにしました。

厄介者扱いされがちな雪の冷たさや、地底から湧き出す温泉の熱を、居室だけでなく風呂や温室など、様々なかたちで生活空間にうまく取り入れられたことです。比較的大きな住宅ですが、スキップフロアやカーテンなどを使って、表情豊かな内観を設計できたと思います。

優秀賞をいただくことができたことをありがたく思う一方で、悔しさも残りました。機会があればまた来年も挑戦したいと思います。

オンライン開催の審査会ならではの難しさを身をもって知るいい機会になりました。こういった型式のコンペにいち早く参加できたことはよい経験になったと思います。また、対面での審査がいかに建設的な議論を生み出していたかという気づきを得ることができました。

将来は公共建築を設計に携わりたいと考えています。このコンペでは住む人のことを良く理解し、リアリティを持って設計することが必要であるということを学びました。このコンペで得た住人のためのミニマムな空間の設計手法を発展させ、公共空間を変える力を持つ設計者として責任を持ち魅力的な空間を作っていきたいです。

 

優秀賞

「家麹

日本大学  井上 了太
      岩崎 琢朗
      熊谷 拓也

○受賞者アンケート

住宅の作品をあまり作る機会がなく、住宅を設計するコンペに興味がありました。以前から気になっていたコンペの一つだったので参加させていただきました。

まず、日本の気候との文化に着目し、”湿気”が根底にあることが分かりました。
昔の人々は湿気を利用し、味方につけ暮らしてきたのに対して、現代の暮らしでは、外気を遮断することで“カビ”となり、むしろ敵となることに気づきました。
そこでもう一度、環境を整理し、湿気を味方につけられないかと考えました。

チャレンジ精神、着眼点が面白いということで評価してもらえましたが、麹と一緒に生活していくという点や屋根などのディテールが甘かったという講評をいただき、自分たちの作品に対しての理解や整理ができました。

他の人たちのプレゼンや質疑応答など画面に映し出されて見ることができたので、見やすいという点ではとても良かったです。しかし、実際の現場の緊張感というのも味わってみたかったです。

審査員の方々に講評していただき、自分たちの提案力やプレゼン力を高められる場である思います。

正直とても迷っています。まだ漠然として「設計がしたい」としか考えていません。残り少ない学部生の時間でどのように建築と向き合っていくのか決めたいと思います

 

優秀賞

「弥次郎兵衛の家自然の上に暮らし、大地と目線を合わせる暮らしー

 京都工芸繊維大学    堀 智哉

○受賞者アンケート

審査員を務める建築家の方達に直接講評を受けたいと思い、参加しました。

自分が今純粋につくりたい建築の姿や空間は如何なるものか、そこから住宅を設計していく過程も含めて難しかったです。

人に伝えるって難しいな、と改めて感じました。

建築をデザインすることの楽しさを改めて感じることができた点です。

どこでも発表したり聞けたり見れたりすることは便利でしたが、実際に会って講評を受けたいとも思いました。

アイデアをかたちにできる一つの機会だと思います。