未来の建築家を発掘・一流建築家が審査員! 建築界注目の現役学生の木造住宅設計コンテスト

受賞作品

2020 課題テーマ
「自然を身方にする家」

○受賞者アンケート

グランプリに参加しようと思ったきっかけ、理由
作品テーマ決定までの経緯(なぜそのテーマにしたのか)
プランニングで苦労した点
プランニングでうまくいった点
プレゼンの感想
受賞の感想
大会で実際に審査を受けてためになった点
今回初めてのオンラインでの開催にあたって、感じたこと、感想など
グランプリ全体の感想(グランプリに参加してよかったことなど)
あなたにとって設計グランプリとは?
将来どんな道に進みたいと思っていますか?

金賞

相間の坂

  横浜国立大学大学院    松重 美穂
  早稲田大学大学院   秋山 曜

○受賞者アンケート

大学院卒業前に高校同期とコンペに挑戦したかったため。

特殊な環境ではなく、自分たちが普段生活している都心での住宅を考えたかった。元々の地形を生かし、その場所にしか建たないものを考えることが、最も基本的な「自然を身方にする」ことだと考えました。

「普通の斜面住宅と何が違うのか」という質問にすぐに答えられなかったことが悔しかったです。

驚いています。ただのアイデアを入れる箱にならないように、「自然」の発想に頼りすぎず周囲の環境を受け入れる住宅の設計に徹したのが良かったのかなと思います。

プランに関して具体的な指摘をしていただいたことで、さらにより良い空間にしていける可能性を感じました。

木造の個人住宅を設計するのは学部以来だったので勉強になりました。模型製作以外はフルリモートの設計となり、図面をはじめとして反省点は多々ありますが、2人での協働がうまく噛み合って楽しかったです。

銀賞

雨を待ちながら

  名古屋大学大学院     石原 可南子
             児玉 由衣

 

○受賞者アンケート

設計を学んできた集大成として、スケールの小さな住宅を設計してみたいと思っていました。それを憧れの建築家の方々に見てもらえるいい機会だと思ったからです。

今回は動画であったため、失敗の不安もなくてよかったです。他のファイナリストの方々の、プレゼン動画が素晴らしく、今後参考にしたいと思いました。

本当に嬉しく思っております。審査員の方々のご意見を糧にして頑張ります。

懇親会などがなく、審査員の方々や他大学の方々とあまり話せなかったことは残念だと感じました。しかし、このような状況下でコンペを開いてくださり、関係者の方々には本当に感謝しております。

⑩学外で力を試す場

このコンペで学んだことを活かして、設計に携わり続けたいです。

 

銅賞

「音と暮らす家」

  芝浦工業大学大学院    田 航也
            木津 郁海
            平山 徹

○受賞者アンケート

コロナ禍において家から出ることが少なくなり、「家」と触れ合う機会が増えました。そこで建築設計の基本でもある住宅の設計と真剣に向き合い、自分たちの力量を認識しつつ、これからの住宅のあり方について深く考えたかったからです。

「音」という見えないものが集まる「音のたまり場」を大胆に中央に挿入し、生活音と自然の音が混ざり合う空間を確保したものの、実際に音空間がうまく作用してくれるのかを確認する手段がなかったので、様々な文献を参考にしながら形にしていったところが最も苦労した点です。

プレゼンの動画の提出が決まってすぐに、実際の音を動画に取り込もうと思いました。例年のようなシートでの説明では、音の心地よさ、豊かさを十分に伝えることができなかったと思うので、今回の動画形式でのプレゼンは自分たちにとって説明しやすい環境だったと思います。

夏休みの半分以上をこのコンペにつぎ込みました。3人ともなかなか意見が合わずスムーズに進むことはほとんどありませんでしたが、その意見のぶつかり合いが銅賞という素晴らしい結果に繋がったと思っています。嬉しさと同時に悔しさも残る銅賞ですが、将来の自分たちの励みにしていきたいと思います。

普段1人で行ってきたテーマ決め、設計、プレゼンを3人共同で行ったことで、他人の意見を汲み取ること、それを設計に反映すること、最終的にシートや動画にまとめることなど、得意不得意を分担しながらやることの大変さや楽しさをこのグランプリを通して感じることができました。もともと仲のいい3人ですが、お互いのことをもっとよく知る良いきっかけになったと思います。

ゼネコンの設計部に入り、施工と設計の両方を学びながら様々な人と1つのものを作り上げていきたいと思っています。(北田)
多くの人と関わることのできる仕事に携わり、将来的には自分の作りたいものをつくれるよう努力していきたいと思います。(木津)
ディスプレイ業界でデザイン職に就き、細部にまでこだわりぬいた空間を設計し、人を感動させられるよう全力を注ぎたいと考えています。(平山)

 

アンダー20賞

「人と太陽と月の家

  横浜日建工科専門学校    安井 莉々香

○受賞者アンケート

自分の中にある”自然”と向き合った時、人が無意識に感じている太陽のエネルギーと月のサイクルに加えて、どうにかしなければならないと思う日本の状況を少しでも変えるために何ができるかを考えていくうちに、人が動かなければ何も始まらず、人は一人では生きていけないことから、まずは人同士が”身方”になり、その想いを広げていくことが大切だと気づき、太陽と月の家に人が加わり、「人と太陽と月の家」が生まれました

人が住む部分は最低限にして、人のため、自然のため、街のための”所有しない”空間を広く取ることができたことは自分の中で良かったと思っています。

私の作品には人の内面のような、抽象的な部分があるので、審査員の先生から伝わりにくかったことに対するご意見を頂き、もっと建築を学び、想いを形にできるようになりたいと思いました。

まず、このような状況でも開催してくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。
ですが、改めて、面と向かって話すことの大切さを感じました。私は今回が初めての参加だったので、京都造形芸術大学に行ったことはないですが、もし現地で開催できていたら、11組だけでなくもっとたくさんの方々が審査員の先生とお話しできたのかなと思うと、オンラインでできることにも限りがあると感じました。
大学ではオンライン授業がほとんどになっていると聞きます。日本政府も情報通信技術を向上させようと押し進めていますが、私は、人が人として生きる上で、実際に会って関わることを後回しにしてはならないと思います。

⑩自分の想いを建築という形にして、想いが届くことを願うことです。
そして、一つとして同じ作品がなく、一人一人が違う考えを持っていることを認め合い、共に成長することのできるチャンスを頂ける、幸せな場です。

思いやりの心を忘れず、自分と向き合い、人と向き合い、街と向き合い、日本と向き合い、世界と向き合う建築家になりたいです。

審査員特別賞

「私は、自然に/と暮らす

  芝浦工業大学大学院    大久保 尚人

○受賞者アンケート

住環境の研究室に所属しており常に人々の生活の器としての建築を考えています。
そんな中、住宅というのはその根源に至るもので設計してみたいと思い、また憧れの建築家の方々に見ていただける貴重な機会だと思ったから参加しました。

コロナの影響で、今後私たちの生活も大きく変わっていくことが予測される中で、変わらず残る暮らしの豊かさとは、昔ながらの自然との暮らしだと感じ、本コンペのテーマの「自然を味方にする暮らし」を純粋に考えました。

審査員の方々に指摘していただいたとおり、住宅の中での人の暮らしやすさを考えすぎるとその外側に広がる自然を切り離してしまい、一方で自然を取り入れること考えすぎると人の生活が離れてしまうという駆け引きに苦労しました。

審査員長をはじめ、多様な視点をお持ちになっている建築家の方々の審査のおかげで自分では気づかなかったことや考え方に気づくことができました。とても勉強になりました。

設計グランプリとは今までにないようなアイデアを産み出す「点」としての建築だけではなく、これまでの住宅の考え方や思想を丁寧に読み取る「線」としての建築を自分ならこのように建てるというのを試す機会でもある思います。

これまで学部時代を含め学んできたことを活かせるように、人々の生活寄り添いながら恣意的なものではなく、自然体の建築をデザインしていけるように設計には常に携わっていきたい。